白金に長く暮らし、
“今の白金””昔の白金”を語っていただく
インタビュー企画

第二回白金今昔物語
白金商店会会長小林靖彦さんです

１．長い間、白金を見守ってきた白金商店街会長。
商店街の発展のために尽力してきた27年間
２．洋品店でフクロウ！？
メンズショップコバヤシの名物！！人気者のフクロウや鷹に迫る
フクロウは世界デビューもしていた！！

プロフィール
小林靖彦(こばやしやすひこ)さん
:プロフィール
昭和9年生まれ岐阜県出身
明治通り側の四の橋商店街入り口、
メンズショップコバヤシ店主
白金商店会会長
高輪防犯協会副会長
高輪防火防災副会長

昭和の白金

白金新聞
昔の白金はどのような街でしたか？

小林会長
明治通りには、昔は都電が走っていたんですよ。
線路は全部地下に埋めちゃってますけどね。
当時は10円で都電に乗れることができ、銀座や築地まで、
反対は四谷三丁目まで行けました。
渋谷行きもありましたね。

昔の古川はみんながゴミを捨てに来て、
臭くて仕方なかったんですよ。ドブ川みたいなね。

白金新聞
明治通りに都電が走っていたとは！！全然想像できませんね。

小林会長
港区人口が28万人くらいいたときは
町工場がたくさんあって、とても賑わっていました。
バブルで土地を売り払う前までは、
本当に町工場がたくさんありましたからね。
年末なんかは住み込みで地方から来ている人が、
勤め先の女将さんに連れられて洋服をたくさん買ってくれましたよ。
今となってはほとんど工場が無くなっちゃったからね。
だから、お店でも人を雇わないで家族だけで
経営しているお店がほとんどで、
経費もでないくらいです。
その中でも、新しく商店街に加盟してくれる
お店が増えるのはとても嬉しく思います。

白金新聞
白金高輪駅ができてから、
だいぶ雰囲気も変わったのでは？

小林会長
明治通りにあるテナントビルの社員の方々が
ものすごく通るようになりました。
でもあまりうちにはお金を落としてくれませんね（苦笑）
昼食を食べに商店街に来る方が多いですね。
あとは白金タワーに勤めている社員の方々も。
たまに、お葬式などで黒いネクタイを買いに来る程度ですよ（笑）

洋品店の前は傘屋さんだった

白金新聞
何がキッカケで白金でお店を開くことになったんですか？

小林会長
池袋で傘の問屋に勤めていて、その時のお得意さんが白金にいたんですよ。
それがキッカケで白金にお店を出すことになりました。

白金新聞
なるほど！！それで傘の修理のチラシが貼ってあるんですね。
でも傘屋さんから洋品店に転身というのも珍しいですね。

小林会長
戦前に妻の両親が新宿で洋品店をやっていましてね。それから白金に移って来ました。
その後に私が洋品もまた売ろうと提案をして今のスタイルになりました。

バブルの頃はスゴかった

白金新聞
お店の売れ筋はなんでしょうか。

小林会長
今の時代、これが売れ筋っていうのは特にありませんね。
紳士服を売っているので。
お父さんの洋服はみんな後回しだから、
買いに来てくれないんですよ。
バブルの頃はみんなクレジットカードで
よく買い物してくれたいましたけどね。

白金新聞
世間のお父さんはかわいそうですね・・・（汗）
では、バブルの頃の売れ筋は何だったんでしょうか？

小林会長
うちはスーツは置いていないので、
ズボンやブルゾンが売れ筋でしたね。
バブルの頃は本当に売れましたね！！
あのときは売れ過ぎて怖いくらいでしたよ。
17,000円以下のズボンなんて売れなかったんだから！！
もっと良いのはないかってよく言われたものですよ。
ブルゾンも39,000円以上のものでないと
売れなかったんですよ。
売れすぎちゃって問屋さんにも在庫がなくてね。
いまはどのお店も売れませんね（笑）

白金新聞
金額がスゴイ・・・（焦）
僕なんてユ○クロで3000円のチノパンを買うのも躊躇するのに・・・（小並感）
洋服業界があまり景気がよくないということでしょうか？

小林会長
特に紳士服が売れませんね。婦人服はそこそこ売れているようですけどね。

白金新聞
男女でそんなに差が出てきているんですね。

小林会長
例えば、女性同士でカラオケとか行ったりしますでしょう。
同じグループ内では同じ洋服なんて着られないからね。
もし同じ洋服なんて着て行ったら、また同じ
洋服を着てるって思われるでしょ。
でも男は一張羅を買ったら、そればっかり着てるから（笑）
婦人服は安くても数を揃えなきゃいけないから売れるんですよ。

27年間、白金商店街を見守ってきた
白金新聞
小林さんは洋品店の経営と、
白金商店街の会長もされていますよね？

小林会長
そうですね。平成2年から会長をしてますので、
足掛け27年になるでしょうか。

白金新聞
そんなに長い間、会長をされているんですね！！
お店と商店街の会長を同時進行するのは大変ではないですか？

小林会長
かなり大変ですね（笑）
特に大変なのが、それぞれのお店を束ねて
意見調整することが一番大変ですね。
私は商店街内の雰囲気を大事にしたいので、
各お店の意見をすり合わせて派閥などが
できないように心がけています。

会長は大変??

白金新聞
そうなると次期会長を決めるのもかなり大変なのではないでしょうか？

小林会長
そうんなんですよ、誰もやりたがらない！！
自分の仕事をやりつつになりますから。
しかも、他の商店街等ののイベントなどにも
顔を出したりしないといけないので・・・
それにね、新年会や総会などの挨拶、
司会もとても大変です。
特に司会をするときは言葉使いがとても大変。
正しい日本語を使ったり、
適切な言葉選びをしなくてはいけないので。
他の商店街のイベント等でアナウンサーが司会を
やっているときはとても参考になりますよ。
言い方や言葉選びなど参考になることがたくさんあります。
お年寄りの方も多いので横文字を使わないようにしたりね。
わかり易い言葉を選ぶように心がけています。

白金新聞
綺麗な日本語を使うようにしてるんですね。

白金新聞
ちなみに、次期会長候補っていらっしゃるんですか？

小林会長
いたんですかどど、体調を悪くしてお店を辞めちゃったんですよ。
みんなも期待してたんだけどね。
前は副会長をしていて、よくやってくれたんです。
夏祭りでも人の嫌がることを率先してやってくれてね。
あんなに頭が良くて気が利く人はいないですよ。
だから私も商店街の会長をやってこれたんです。
辞めちゃって寂しいけどね。
次期会長を早急に探さないといけないけど・・・
なかなか見つからないよね・・・

白金新聞
自身のお店と同時進行ではかなり難しいですもんね・・・

洋品店でフクロウ！？
NYタイムズに掲載

白金新聞
ずっと気になっているんですが・・・あれってフクロウですよね？

小林会長
そうですね。フクロウ、鷹、はやぶさを飼っています。キンカチョウ、インコも
飼ってますよ。全部で5種類。酉年だから鳥を集めたほうが良いんじゃないかと
思ってね（笑）
モヤモヤさまぁ～ずにも紹介して頂きました。

白金新聞
なかなか近くでフクロウや鷹を見る機会なんてありませんもんね！！
僕自身、こんな近くで初めて見ました。
さっきから全然鳴きませんが、フクロウって鳴かないものなんですか？

小林会長
あまり鳴きませんね。このフクロウのは二代目で、先代がすごかったんですよ。
僕が「ビビちゃん」って呼ぶと「ハイ！！」って応えるんだから。
他の名前で呼んでみても返事しないからね。とても利口ですよ。
僕ががんばって仕込みましたからね。返事をするフクロウは珍しいんですよ。
女性の記者が取材に来て、ニューヨーク・タイムズにも載りましたからね。

白金新聞
フクロウにまつわるエピソードって何かありますか？

小林会長
昔の話だけどね、格闘家の山本キッドさんが近くに住んでいましてね。
うちによく遊びに来ていた影響で、鷹を飼い始めてました。
でも途中で逃げちゃって
警察に保護されたんですよ。
近くで鷹を飼ってるのは僕くらいなものですから、
警察から電話がかかってきました。
それで無事戻ってきたんですが、
息子の知り合いに半年間調教してもらって、
山本キッドさんに返しました（笑）

白金新聞
そんな裏話が！！（笑）
さすが小林会長ですね！！

白金新聞
もうすぐ夏祭りですね！！(※お祭り前に取材しました)
準備でかなりお忙しそうですが・・・

小林会長
そうなんですよ、今日から商店街の横断幕の準備をしなくてはいけないので。
昨年までは万国旗を付けていましたが、
今年からは商店街に加盟してくれているお店の屋号を付ける予定になっています。
どこの位置に付けるかは指定できませんけども（笑）
それと、橋の入り口のステージの雰囲気とか変わりますからね。

白金新聞
かなり昨年と雰囲気が変わりそうですね！！
第一回目の夏祭りはどのような感じでしたか？

小林会長
お客さんが来てくれるかとても心配でしたが、蓋を開けてみればすごい数のお客さん
が来てくれましたよ。先代の会長のときに私が夏祭りを提案したんですよ。
当時はみんな若かったから、ほとんど手作りでしたね。

白金新聞
例年、何人くらいの人が夏祭りに訪れますか？

小林会長
3.4万人くらいは来てくれていますね。

白金新聞
そんなにですか！！
確かに毎年、多くの人が訪れているなとは思いましたが・・・
そんなに来ているとは思いませんでした！！
小林会長、貴重なお話をありがとうございました！！