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第一回 白金今昔物語 “青果大信”<前編>

白金に長く暮らし、
“今の白金””昔の白金”を語っていただく
インタビュー企画

第一回白金今昔物語<前編>
青果大信(せいかだいしん)さんです

 

1.白金の成長を見守ってきた、
創業昭和47年の八百屋さん
創業当時は町工場が点在し、
高級住宅街のイメージが定着する前から
白金の食を支えてきた老舗。

2.目利きのお客さんは知っている。
高級フルーツが適正価格であり、
破格の安さで売られている
季節の果物売り場。


角方則行(かくほうのりゆき)さん
:プロフィール
創業者であり、今も現役の
角方信行(かくほうのぶゆき)社長の長男。
小学生の頃からお店の配達のお手伝い。
大学ではマーケティングを学び、大手スーパーへ就職。
一年ほどでスーパーの2番手になるほど優秀だったが、退社。
大信の人手が足りなくなり戻ることに。

白金新聞#003写真1
創業昭和47年
白金を見守ってきた八百屋さん

大信は昭和47年4月に産声を上げた。
角方則行さんのお父さん角方信行さんが創業。
旗の台でパン屋を営む親戚に、
近くで忙しくやってる八百屋さんで働かないかと
声を掛けられたことが、地元福井から
上京するきっかけになったという。
意外ではあるが、
たまたま八百屋さんになったとのこと。

その八百屋さんというのは、
旗の台荏原町にある中真(なかしん)。
当時大手スーパーから勉強させて欲しいと
言われるほど評判だったという。。

白金新聞#003写真61

角方則行
親父の時代は、八百屋ってのは真面目に働けば所帯が

もてるっていうくらい安定した職業だったらしいんだよ

八百屋やっててさ、景気いい時もあったじゃん

派手に使うんじゃなくてさ、

そんな時代でも堅実にやってる人が

ながーく今でも八百屋経営してたりするんだよ

白金新聞
 確かにありますね。潰れそうで潰れない八百屋さん!笑

白金新聞#003写真20
白金は、
かつて町工場が多く、
義理人情に厚い、
活気あふれる街だった

角方則行
当時、夕方になると商店街は人でごった返して

自転車では通れないほどだったんだよ

戸越銀座商店街やアメ横みたいにさ

この辺りは町工場がいっぱいあって二階建ての木造ばっかりだったよ、

どこも大家族。

例えば、きゅうりとか今は普通に1本単位で購入することができるでしょ?

当時は5本、10本単位売りが当たり前で、バラ売りなんてなかったよ。

みかん箱だって15kgが主流、家族分買っていくんだよ

白金新聞
きゅうり10本なんて..今では考えられないですね笑

白金新聞#003写真16

いつから高級なイメージが定着したかは定かではないが、
バブル景気の後半頃からメディアや不動産業界の販促により
高級なイメージが付いたといわれているが、
白金には町工場が多くあり、土地もそれなりにあったことから
マンションも多く建てることができた。
また、渋谷や恵比寿、広尾、六本木へのアクセスも悪くない。
そんな理由も高級なイメージ定着の理由の一つかもしれない。

角方則行
いつからかこの辺り一帯の土地の価格が上がってさ、

売ってどこかに引っ越す家族とか、

もともと普通に暮らしてた庶民がさ、使い慣れていない大金なんか持つから、

結果不幸になったってしまったって話も聞いたよ

同級生なんてほぼいなくなっちゃったもん

白金新聞
なんか…せつないですね

白金新聞#003写真14
美味しい果物、破格の安さ
(撮影中店内にて)
近所の奥様
“お土産用に一つ500円を4個くらいで
いいのないかしら???”
“あんまり気を使われない程度でいいので”

角方則行
今、果物だとデコポンなんていかがですか?(即答)
美味しいですよ、かしこまった感じじゃなければ、
無地の紙袋に入れましょうか?

近所の奥様
“紙袋がいいですね、ありがとうございます”

白金新聞
さすが!!ベテラン、慣れてますね

なんか、ふれあいがあっていいですね

家庭用以外にもお土産や差し入れといった様々な買い方があるようで、

旬の野菜や果物なんて、店員さんに聞くのが一番!ですね

白金新聞#003写真9

どのような質問が多いのか聞いてみると、
果物に関する質問が多いようだ。
大信は果物を購入するお客さんが非常に多い。
なぜなら、有名店高級フルーツ売り場にあるものと
同じ果物が半額近くで売られている場合もあるからという。
だから、わざわざ広尾や青山から果物を買いにくる、
情報通のお客さんもいるようだ。

白金新聞#003写真12
白金近隣の学校や、
名店に食材を配達

なぜこれほどにも評判が良いのか。
それは味の良さも然ることながら、
ただ安いというものではなく、モノが良くて安い!
お客さんにとっては嬉しいことこの上ないのだが、
そんなに安くして大丈夫なのかと思うほどだ。

白金新聞#003写真19

その秘密を聞いてみると、
毎日の仕入れにあるという。
競売で美味しい果物を買い付けるだけではなく、
時には産地から直接買い付けるため
破格の安さで売ることができる果物もある。
これは大信さんの経験、目利き、
買い付けるテクニックが織りなす技だろう。

次回<後編>は、
目利きの八百屋さんが作るとこんなに美味しいの???
冬の風物詩であり大信さんの看板商品
“焼き芋”について詳しく聞きます


青果大信 (八百屋/商品配達)

定休日 日曜・祝日
営業時間 9時〜19時
住所 港区白金3-9-6
電話番号 03-3446-2873

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