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高輪消防署二本榎出張所

昭和8年に建てられ、平成22年に
「東京都選定歴史的建造物」に選定。
新築当時は、周囲に高い建物がなく
東京湾を見渡せたという
高輪消防署二本榎出張所です

高輪消防署二本榎出張所

高輪消防署二本榎出張所

1.第一次世界大戦後に流行した「ドイツ表現派」
の建築設計で、そのレトロな外観から、
地域のシンボル的な存在。年間約1,000人見学に訪れる。

2.展示室では消防士の男前道具、昭和20年頃のポンプ車に触れ、
「東京都選定歴史的建造物」雑学を知ることができる。

パタクさん

パタクさんと白金高輪駅集合

日本育ち??笑

と思ってしまうくらい流暢な日本語で話すパタクさん。
難しい日本語や、専門用語のスルーも上手い(聞いてる風)ので
スムーズに会話ができます笑

日本へ建築を学びにパタクさんの
好きな建築家は、日本銀行本店、東京駅を手掛けた辰野金吾。

パタクさん
:プロフィール(パタクさん作)
1992 生まれ (二五)歳 ,です ,ネパールの
ネパール ポリテイックニック インシチュットで
建築の 専門 学校 を 卒業して 役 1年 ぐらい 働きました。
2013 に 建築 を 学びたくて 日本 へ 来ました。
日本の お好きな 物は 日本の 文化 と 技術 です。

(ネパール語)
मेरो नाम बिष्णु पाठक हो म १९९२ साल मा जन्मियको हु मेरो कलेज को अध्यन संगै मेरो टेकनिकल शिक्षा को रुचि ले मलाइ ईन्जिनरिङ्ग मा अगाडि बड्ने हौसला बड्यो र मैलै दिप्लोमा इन सिभिल इन्जिनिएरिङ्ग सकेर करिब एक बर्ष एउटा प्रोजेक्ट मा काम गर्ने अवसर पाएं तेहि समय मा जापान आउने इक्षा थियो र केहि नयां काम गर्ने र अध्यनको शिलसिलला मा जापान आंए र यहा को बारे मा धेरै राम्रा कुरा सुनेको थिए र त्यो भन्दा बढि राम्रो सभ्यता जापान मा देख्न पाएको छु म धेरै खुसि छु म जापानी इनजिनियर ताचुनो किनगो जि बाट धरै प्रभावित छु उहां जापानको प्रख्यात इनजियनियर हुनुहुन्थियो यहांको बिकास र कल्चर देखेर आसा छ म नेपाल फर्केर यहाको प्रविधि लाइ नेपालको बिकासमा सदुपयोग गर्ने छु ।

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交差点向かいからの撮影スポット

取材日は台風21号が去った翌日

消防では、火災や災害の規模や状況に合わせて、
より迅速により効果的に活動を行なうため
出場する消防隊の「出場体制」を整えているそうです。

到着する頃には青空。
台風も過ぎ去り、そろそろ出場体制が解除になるのでは〜
という頃に取材させて頂きました。

ちなみに消防組織では、
「出動」することを「出場」と表現しているようです。

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歴史を感じる階段

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現代の消防服

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大正時代に作られた刺子半纏(さしこはんてん)消防服

守り神!?その昔の消防服

白金新聞
早速、時代を感じる消防服が展示されてますねー
凄い!!当時は、布??なんですね

消防士さん
当時の丈夫な生地を使って水を被って消火作業をしていたそうです。
今はチタン製のハシゴを消防車に乗せていますが、
こちらはその前身と言われる木製の折りたたみ式のハシゴとなります。

パタクさん
スムーズに折りたためました!
凄いですね

折りたたみできるハシゴ

折りたたみできるハシゴ

 現場のアイデアで道具は
改良されていく

白金新聞
木製ですか!?しかも折りたためるんですね!!なんて画期的な・・・
木製だと火が燃え移ってしまう可能性もあるのではないでしょうか?

消防士さん
はい、そちらを持っていただくと、このように折りたたむこともできます。
金具で止めて持ち運んでいました。
こちらも消防服と同様に、水をかけて燃えにくくしていたようです。

白金新聞
おおおおお!凄いです。
これらのものは以前使われていたものを保存されているんですか?

消防士さん
そうですね。この建物に合うのではないかと、
様々なところなどから寄贈されております。

今も私達で改良の案などを出していますので、
当時の消防隊員も案を出していたと思われます。
現在の消防服も難燃素材(燃えにくい素材)を使用しております

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昔の消火器

フォント萌えなんですけど!!

消防士さん
街頭消火器はご存知でしょうか?様々な所に設置されている消火器なんですが、
当時は現在のような形ではなく手榴弾のような形をしていました。

白金新聞
おおおおおお!!本当に手榴弾の形をしていますね!!(驚)
この消火器には水が入っているんですか?

消防士さん
水ではなく、消火薬剤が入っています。
少し穴が空いていて白い粉が見えると思いますが、あれが消火薬剤です。
火の燃えているところに投げて割れると、中の消火薬剤が散布される仕組みとなっています。
この手榴弾型の消火器の三段の木箱に入れて設置していました。

白金新聞

現在の消火器に入ってる中身と一緒ってことですね!
これだと、手榴弾型の消火器を投げる名人がいたかもしれませんね(笑)

消防士さん
(笑)

当時のサイレン

当時のサイレンにハマるパタクさん

鐘の音色萌えなんですけど!!

パタクさん
フフフ(カンカンカンカーン)

白金新聞
叩くところによって音が違いますね

消防士さん
音によって、伝達内容が違っていたようです

白金新聞
ほぉ〜、音によって合図なり、
場所はここだ!なんて鳴らしてたんですね

白金新聞
防火服の色が違うのは何か理由があるんですか?

消防士さん
東京都は黄土色の服が一般隊員、色が黒い方を特別消火中隊という隊員が着ています。

白金新聞
具体的には特別消火中隊とはどのようなものなのでしょうか?

消防士さん
技能に優れた消防隊員が配属された、特別チームのようなもので
また、他の自治体でも、黒い消防服を採用しているところもあります。

白金新聞#013写真021

円形講堂の天井

消防士さん
建物の八本の梁ですが、ドイツ表現主義の特徴となっていて、
10個の茅葺き窓(かやぶきまど)を取り入れています。
また現在、写真の茅葺き窓が見える位置にいるんですが、
昔はこの上まで登ることができました。

白金新聞
現在は登ることはできないんですか?

消防士さん

そうなんです、覗かれていると不快に思われる方もいらっしゃいますので・・・

白金新聞
(残念)・・・
ぜひ登ってみたかったものです(涙)
時代・・・なんですかね

パタクさん
フフフ(カンカンカンカーン)

消防士さん
また、建物の一番上にあるシンボルですが、昭和59年に付けられたものとなります。

白金新聞

建設当初はなかったんですね!!このシンボルがないと、
また違った見え方をしそうですね。
そういえば、スプリンクラーは設置されてなさそうですね?

消防士さん
設置されていません。平成22年に東京都の歴史的建造物に指定されまして、
私達の判断だけでは建物に関する改修をできなくなってしまい、
著名な先生に一度相談をした上で許可をもらうという流れで
昨年に一年をかけてレンガを張り替えたり塗装したりと改修工事を行いました

白金新聞
歴史的建造物に指定されるということは、
当時のまま残す
当たり前のことですが、
色々と制約なども出てきてしまうんですね・・・

白金新聞#013写真052

白金新聞#013写真055

消防隊員の方が利用する食堂

消防士さん
庁舎内の見学をされる高齢者の方々から
「手すりやエレベーターなどはありませんか?」と聞かれることがありますが、
手すり一つも私達の判断だけでは付けることができません。

白金新聞
ご高齢の方にとっては、階段がかなり急ですもんね・・・

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画家さん、アニメーション作家さんとの交流

白金新聞
絵が多く展示されていますが
画家さんと交流があるんですか??

消防士さん
近くにお住いの道琳(ドウリン)先生という有名な画家さんに描いて頂いたものです。
また、働く消防写生会の審査員をお願いしたりしています。
他にも様々な画家さんにも描いて頂いており、
最近、産経新聞の記事にも高輪消防署二本榎出張所の記事が載っていました。

白金新聞
凄い!
この元アニメーション作家さん
国民的アニメ描いてる(驚)
働く消防写生会は毎年開催されているようですね

消防士さん
毎年開催しています。管内の小学校の生徒さんに消防に関する事を知ってもらおうということで、
校庭に消防車を持っていき写生して頂いています。

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曲線をモチーフにした階段

至る所にドイツ表現主義

消防士さん
いま下ってきた階段なんですが、
大理石とセメントを練って固めたものとなっております。
一つ一つの段も現在物と比べて高さが高いのも特徴です。
また、天井の三段になっている箇所を
モールディング」と呼ばれており、非常に珍しいものです。

白金新聞
至る所にドイツ表現主義が取り入れられているんですね。

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昔、戦隊モノの番組で観た
すべり棒

消防士さん
こちらが事務室になります。今は使われていませんが、すべり棒も設置されています。
現在では都内の消防署では滑り棒は使われておらず、階段を使用しています。

白金新聞
子供の頃、テレビで観て憧れたやつです!
緊急事態の時に
サーっと降りて出動する!!

消防士さん
それが、隊員の怪我につながるケースがあったり、
現代では、機能的ではないため現在では使われていません。

白金新聞
そうなんですね(笑)

白金新聞#013写真047

リゾート満喫風パタクさん

ホースを乾かしています

ホースを乾かしています

白金新聞#013写真048

手すりの高さが1200mm

消防士さん
こちらのバルコニーですが、建物が古いため手すりの高さが1200mmしかありません。

白金新聞
確かにとても低いですね!!寄りかかったら落ちてしまいそう・・・

白金新聞#013写真063

クラシックカーを眺める富裕層風パタクさん

白金新聞#013写真057

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昭和20年頃につかわれていたポンプ車

消防士さん
昭和20年ごろのポンプ車なので、
残念ながら、現在は乗ることはできません。
このポンプ車はもともとこちらに配置されていたものではなく、
四谷の消防博物館に展示されていたもので、
ちょうど高輪消防署の80周年パレードを開催した際に、
二本榎出張所のほうが似合うだろうとのことで
八年ほど前にこちらに移動してきました。

白金新聞
まだ他にも昔の消防車はあるんですか?

消防士さん

四谷の消防博物館に行けば、違ったタイプの消防車なども見ることができます。

白金新聞

当時はサイレンの代わりに、あの鐘のような物を鳴らしていたんですか?

消防士さん

そうですね。それと、昔は消防車で座る隊員は少なくて、
みんな立って消防車にのっていましたよね。
若い方はご存じないかもしれませんが(笑)

 

白金新聞#013写真075
モーターショーばりに
ピカピカの消防車

白金新聞
このポンプ車はニッサン自動車のようですが、

消防士さん

現在はがヒノの他にモリタ、イスズ、救急車はトヨタとなっています。

白金新聞

イヤラシイお話しですが、消防車は一台おいくら万円するのでしょう?
消 詳しい額までは分かりませんが、云千万円はするでしょう。

白金新聞

云千万円!!ぼくのお給料何年分・・・いや、何百年分・・・

パタクさん
凄いですね

消防士さん
これにホースが積んであり、
狭い道など消防車が入れないところで消火活動を行います。
昔は手押し車のようなものを使っていました。

白金新聞
消防車は普通免許では運転できませんよね?

消防士さん
大型の免許が免許が必要なものもあります。
大型の免許をすでに持っていて、入隊する隊員もおります。
こちらは消火用の泡を出せるもので、あちらが水を出せるものですね。

 

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 税金で購入している
という姿勢

白金新聞
そういえばホコリひとつないというか、
老舗の名店でもここまで厳しくやっているか!?というくらい(笑)
すべての消防車がピカピカに磨きあげられていますね!!

パタクさん
凄いですね

消防士さん
毎日磨いています。
消防車をはじめ、使用する道具はすべて税金で購入しており
私達のものではありません。スパナなどの道具もしっかりと手入れをし、
出動した際も、現場にネジ一本落ちていないかもチェックをします。

白金新聞
よく考えたら汚ったない消防車見たことないですね笑
それだけ細心の注意を払って運用して頂けているとは・・・
感激しました(涙)

消防士さん
どこで写真を撮られるかも分かりませんので(笑)

白金新聞
今まさに!(笑)

白金新聞#013写真050

大事な大事な火災予防について

白金新聞
商店街のお祭りや、近隣の学校で消防訓練など
よく見るのですが、
せっかくなので日常で注意することなど、聞きたいです!

消防士さん
火災予防運動と地震時の家具転倒防止の呼びかけなど、
児童館や近隣の企業、寺社にもお邪魔してご説明にお伺いしています。

火災などは別ですが、私達が外に出ることができない間、
皆さんはご自身でご自分のお体を守らなければなりません。
そのためにも、消防訓練や体験ブースで様々な知識や経験をすることで
予防の手助けになることができればと考えております。

白金新聞
自分、四の橋夏祭りで消化器を体験させて頂きました
子供に人気でしたね!
使い方の手順を体験したことあるかないかで全然変わって来ますよね

ちなみに、この白金・高輪エリアは火災の発生は多い方なんでしょうか?

消防士さん

少ないと思います。
港区自体、火災が少ないのですが
今年の夏は比較的多くあったかと思います。

原因の多くは建物の老朽化ですね。
中央区の話しになりますが、
築地市場の大きな火災も建物の老朽化に伴うものでありました。

白金新聞#013写真010
火の用心!火の用心!
※火事を出さないように、火の元に注意すること

白金新聞
老朽化..
確かに一軒一軒、
家の中を点検できないですもんね

消防士さん

また、火を使う際のちょっとした気の緩みが原因であるかと思います。
コンセントプラグも火災の原因となります。
コンセントに差し込まれたプラグが地震などによって少しづつ押し出され、
そこにホコリがたまって火災につながる恐れもあります。

年々減少してはいますが、ゼロにはなっていません。
また、これから暖房器具を使う季節になりますので
皆様にはご注意頂きたいと思います。

白金新聞#013写真030
白金新聞
消防士さんからみて白金・高輪エリアにはどのような印象をお持ちでしょうか?

消防士さん
港区と聞いて赴任しましたが、想像していたよりも
下町感のある街という印象を受けました

白金新聞
パタクさんは、白金だけに限らず東京に
どのような印象を持っていますか?

パタクさん
東京の人は忙しいですね笑
でも、仕事で毎日忙しい!!
でも、休日は楽しむ!
このスタイル、素晴らしいと思います


やはり「東京都選定歴史的建造物」
足を踏み入れて、歴史を聞いて、
はじめてわかることばかりでした
貴重なお話、
ありがとうございました

高輪消防署二本榎出張所
住所:港区高輪二丁目6番17号
二本榎出張所では、庁舎の見学を希望する方に内部を公開しています。
ご希望の方は二本榎出張所(電話番号:03-3473-0119)までお問い合わせ下さい。

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